家を買う時に読むブログ

住宅購入に役立つお金のことを解説

【おすすめしません】二世帯住宅は慎重に・・・

こんにちは。

 

住宅専門ファイナンシャルプランナーの長岡です。

 

本日のテーマは

 

二世帯住宅はおすすめしません

 

です。

 

二世帯住宅は離婚の原因になる

「二世帯住宅」と呼ばれる住宅のあり方をご存じでしょうか。

 

これは、父母と、子供家族が同じ建物の中で暮らせる家を建てましょうという考え方です。

ただし日本の農家に代表されるように多世代が同居するのではなく、一つの建物の中で世帯を完全に分離(行き来できない)して設計をします。

 

今の20代、30代の方にはどこか「モヤっと」するイメージだと思います。

 

同居したいのか、同居したくないのか、どっちなんだ!!とモヤモヤするはずです。

 

それもそのはずです。

2024年現在、二世帯住宅を希望する若い夫婦は極めて少数です。

 

「親と同居」という考え方自体がもう馴染みがないものになっています。

 

少し難しい話になりますが、日本には家父長的家制度と呼ばれる家族の在り方が「常識」でした。

 

かつて家族は一家の長である父親に所属する存在であり、長男は「家を継ぐ」役割を生まれながらに持ち、結婚しても実家を出ることは許されませんでした。

 

結婚することを「嫁ぐ」と表現した時代があるように、結婚は夫の家の所有物となることを意味していたと言っても過言ではありません。

結納金という慣習は、妻の実家の労働力を夫の家の労働力にするという人身売買の意味合いだと感じる人が大勢います。

(本当の起源は古代の天皇である仁徳天皇が后を取るときに納采という贈り物をしたことと言われていますが、それは日本書紀の世界の話です。)

 

こう書いただけでもう現代の若い夫婦は抵抗感しかないでしょう。

 

お笑い芸人が自分の妻のことを「ヨメ」と呼ぶことに、激しく嫌悪感を覚える人が増えているのは、この家父長的家制度による女性の人権無視を連想するからです。

 

この前時代的な価値観と慣習(=長男は親と同居しなければならない)が1990年代頃までは残っていたため、二世帯住宅が商品として販売されていたのです。

 

前述したように、二世帯住宅を希望する若い世代はごく少数ですが、全くいないわけではありません。

 

「家を継がなきゃならないので」と言う若い男性もいます。

 

だから実家を解体し、二世帯住宅を建てて妻と子供を含めて同居したいと言うのです。

 

もちろん、FPとしては相談者の希望と理想をしっかり受け止めてお話をします。

 

ただし、以下の点を強調して何度も確認しています。

 

①妻は夫の両親と本当に同居したいのか

 

②夫が亡くなったら妻はその家には住めなくなるが理解しているか

 

③妻も連帯債務者になる場合、②の事態が起きると大問題となること

 

④②の事態が起きた時のために、夫は高額な生命保険を用意する必要があること(妻が家を出て別の場所で暮らせるだけの金銭を残すこと)

 

⑤二世住宅は最低でも延べ床面積60坪は必要。かなり大きな借り入れとなること

 

⑥両親が子供世代を支配しようとせず、妻がいたらなくても立場を理解し気配りをしてくれると約束できるか

 

⑦1990年代は二世帯住宅による同居が離婚の原因を作ったケースが多いことを理解しているか

 

残念ながら、若い夫婦は二世帯住宅がどういう意味を持つのかよく理解していないことがほとんどです。

 

世帯を分離しようが、同居しようが、同じ建物に夫の両親と住んだらトラブルが起きないわけがありません。

最初はやさしい両親も、子供世代との生活スタイルの違いが気になり始め、息子ではなく妻を責め立てるようになります。

何時に帰ってきているのか、休みにどこに行くのか、掃除はしているのか、夜中に風呂に入っているようだが生活の乱れではないか、子育てはどうなっているんだ、など、見えないはずの子供世帯の物音が気になるのです。

 

夫は、自分の親がそんなことを考えるようになるとは考えたくないものですが、家族に「他人」が入ると言うのはそう生易しいものではないのです。

 

親としても、子供夫婦を自立した大人として認識できないのが、家父長的家制度の恐ろしい呪縛なのです。

 

もちろん、ひとり暮らしの実家のお母さんを呼び寄せたい、などの希望を持つ人もいますが、それでも同居は同居です。

このケースでは、親側が精神的に参ってしまうことがあります。実家のコミュニティから切り離して引っ越しをさせ、親の認知症が進んだケースも多く見られます。

人間関係に大きなリスクを抱えるのが二世帯住宅です。

 

古い慣習に縛られず、ご夫婦だけで本音で話し合って決めてください。

 

当社のライフプラン相談会にぜひご参加ください。じっくりと話し合いましょう。

 

nagaokafp.jp

 

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