住宅購入を考えて各社住宅メーカーから見積もりを貰って検討していると、約半数近くのご夫婦が経験する状況があります。
それは親の反対です。
「4000万円なんて高すぎる!」
「お父さんが家を建てた時は、2000万円だった!」
「頭金をいくら貯めて言っているんだ!」
など、資金計画が高すぎると言って猛反対しているケースが相談会でもよくあります。
親としては子供が自己破産をしないか不安なのです。
しかし冷静に考えて、なぜ親世代はそんなに家の値段が高いと言うのでしょうか。
2021年現在、28歳の親世代は60歳前後かと思います。
親が家を建てたのは約30年前として、1990年頃ということになります。
この1990年の家の値段はどうだったのか?
興味本位で検索してみました。
単価は(千円)です。
これによると、1990年の木造・床面積1㎡あたりの工事費予定額は131.7千円ということが分かります。
ということは、床面積40坪の建物は平均1738万円だったということになります。
一方2019円の工事費予定額は170.1千円ですので、建物は2245万円です。
29年で平均値が約500万円上がっています。
2021年現在はさらに工事費予定額の平均値は上昇しています。
500万円と考えるとそれほど大きな違いはないように見えますが、ここ10年ほど住宅市場を席捲しているローコスト住宅のブームが平均を押し下げているのは否めないと思います。性能やデザインはともかく、驚くほど低価格の住宅が売られているのを見かけることが多くなっています。
しかし一般的には、気密断熱の性能、耐震性能、換気システム、各種発電システム、屋根外壁のメンテナンスフリー化、建材の価格上昇などによって建物にかかる費用は確実に上昇しています。特に大手ハウスメーカーの建物価格の平均値は、1990年よりもはるかに上昇しているものと想像できます。
地方のビルダーや工務店でも、高性能を追求している企業はやはり29年前と比べて500万円の差では収まっていないでしょう。
建物価格だけではなく、消費税も10%になっています。
つまり、一定以上の性能の家を買おうと思ったら親の世代よりも値段ははるかに高くなる、と言えます。
親世代の感覚とは明らかに違う値段なのです。
しかし、親世代よりも有利になっている部分もあります。
それは住宅ローンの金利です。
下のグラフは、住宅ローンの金利の推移表です。
(出典:住宅金融支援機構)
1990年前後のバブル期の変動金利は8%以上です。
2021年現在の店頭表示金利は2.245%です。(実際の適用金利はもっと低くなります)
もし2000万円を借りて35年返済をすると、
金利8%の場合の毎月の返済額は142,052円です。
もし金利0.65%であれば返済額は53,253円となります。
親世代としては、4000万円を借りたら毎月30万円の返済をするという感覚です。
そのため頭金をいくら貯めるかが勝負だったというのも想像できると思います。
1000万円程度をやっと貯めて、2000万円の物件を買い返済は月7万円程度。これが親世代の平均的な家の買い方です。
親世代が猛反対したら、まず言うべきは
・家の値段は昔より高いこと
・住宅ローンの金利が安くなっていること
この二つを丁寧に伝えるべきでしょう。
しかし、自分の人生は親とは関係ありません。親の同意は関係なく、夫婦で決断するようにしたいものです。
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