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住宅購入に役立つお金のことを解説

【破綻不可避】実家の敷地内同居は絶対に避けるべき理由

こんにちは。

 

住宅専門ファイナンシャルプランナーの長岡です。

 

今日の話題は、

 

実家の敷地内に新築するときに理解しておくべきこと

 

です。

 

敷地内同居は絶対だめ

 

最近、家を建てるために土地を探そうとすると、とても難しいことに気づくはずです。

 

まず物件が極めて少ないのです。不動産会社のホームページなどを見ると、もちろん物件はあるのですがどれも決め手に欠けるというか、正直欲しいとは思えないものばかり。売れ残り感が漂っています。

 

希望しているエリア、希望している土地の形、希望している生活環境、そして希望の値段を全て追求すると、ほぼ確実に「無理」だという現実を突きつけられます。

 

そんな事情もあって、実家の敷地内で新築を計画する人が増えています。

 

敷地の中に二棟の家が出来るわけですから、よほどの広さが必要になります。当然、郊外に在住の方や、実家が裕福な資産家の方に限られます。

 

実家の敷地を分筆して譲ってもらえるのですから、非常に恵まれています。住宅購入の総予算も低く抑えられるでしょうし、両親も喜ぶことでしょう。

 

しかし、この場合、理解しておくべきリスクが潜んでいます。

 

実家の敷地内に新築するリスクについて説明していきます。

 

夫が死んだら、妻はその家に住み続けられない

 

夫がもし早くに亡くなったら、妻はその家に住み続けられるでしょうか。

夫の両親とは赤の他人です。

隣に夫の両親が住んでいる家に住み続け、再婚したり誰かと交際することは現実的でしょうか。

 

夫が亡くなったら団体信用生命保険で住宅ローンは無くなります。しかしローンが無くなっただけの話です。住み続けられるかは別問題でしょう。

 

この話をすると、男性の中には「両親は追い出すような冷たい人間ではない」と言う人もいます。気持ちは分かりますが、現実はそう簡単にいかないのです。

妻が50代、60代であれば住み続けることも可能ですが、30代、40代の妻の場合は次の人生を考えるのが自然でしょう。妻の両親もその家に住み続けることを反対するはずです。

また、結婚して数年しか経っていない妻を、夫の両親は自分の子供が亡きあとも家族と思ってくれるでしょうか。

 

妻は住む家を無くすので、妻に対して高額の生命保険を残す必要があります。

 

夫の実家の敷地内に新築する方の場合、妻としては必ず契約前に「あなたが亡くなったらそこには住めないので、生命保険を契約して残してください」と言うべきです。

 

夫が亡くなった後、家を相続すること自体も避けたほうがいいかもしれません。もともともは夫の実家の敷地であり、名義を相続して外に出ることで無用のトラブルを招きます。

妻が家を相続し、そこの住まないとすると、いずれ売却することになるでしょう。元は夫の実家の土地です。夫の両親からすると「勝手に売られてしまった」という気持ちが残ると思います。

 

それは「夫の両親との同居」と本質的に同じこと

 

以前、このような記事を書きました。

 

nagaokafpoffice.hatenablog.com

 

二世帯住宅には慎重になるべきという内容ですが、敷地内に家を建てると実質上、夫の両親との同居と同じことになります。建物が分離されているというのは、気休め程度の違いでしかありません。

 

妻が夫の両親との関係をうまくやれるケースもありますが、一定の気苦労は避けられません。離れて住んでいれば経験しなくてもいいイザコザは、必ず起きます。両親が亡くなるまで緊張は続きますし、夫に兄弟がいる場合は両親の死後もそちらと相続問題で緊張は続くでしょう。もし妻が再婚で連れ子がいる場合、夫の親族は相続時にスムーズに同意してくれるでしょうか。

 

私の経験上、そう簡単ではないのです。同居とは、ありとあらゆる角度から問題が発生するのが現実です。

 

この時も夫は「自分の両親は心が広い人なので大丈夫」と言い出すことがありますが、ご両親の人間性の問題ではないのです。他人が近くで住めば、人間性に関係なく問題は必ず起きます。感情的にも、利害関係としても、火種は常にあります。

 

妻にとって逃げ場所のない環境で生活するということは、深刻な問題が起きたら別居するか離婚するか、家を売って違う場所に家族で住むか、どれかになります。

同居で起こる問題は、夫婦だけの問題ではなくなります。

 

もし敷地内に建てるならやっておくべきこと

 

もしすべてのリスクを理解したうえで敷地内に建てるのであれば、必ず以下の対策はしておきましょう。

 

夫の生命保険(死亡保険)を用意する

 

目安となる死亡保障額は、

「また新築の家を建てられる建物費用」「土地購入費用・諸費用」「必要な生活費から遺族年金を差し引いた額×平均余命」です。

 

年齢と年収にもよりますが一億円近くになるはずです。この額はファイナンシャルプランナーに相談すると正確に算出できます。

掛け金も安価に用意できるプランも紹介してもらいましょう。

 

両親の死後の相続問題について、両親と話し合っておく

 

両親の死後、夫が亡くなったら、両親の土地と建物は妻が相続してもいいのかどうか、確認しましょう。

妻に連れ子がいる場合、将来的にその土地と建物は「他人」である連れ子に渡ることになります。子供を作らなかった場合、妻が相続した後に亡くなると、妻の親族に相続されることになり、やはり他人に渡ってしまいます。

 

実家の土地と建物は誰に相続させるのか?をはじめとする遺産分割の予定は、早めに決めて遺言書を作成しておくほうが無難です。

 

詳しくは当社のライフプラン相談会にお越しください。

 

 

nagaokafp.jp

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