長岡FP事務所のブログ

住宅購入のお金のこと

住宅購入の予算の決め方

今日のテーマは、「住宅購入の予算はどうやって決める?」です。

 

ここ数年、建物の安さを売りにしているローコスト住宅の広告で、「今の家賃と同等の支払いだから安心」というコピーを見かけます。

 

つまり、今払っている家賃が5万円で、我が社の住宅を買うと住宅ローンが月5万円で済みますよ、だから支払いは変わりませんよ、安心ですよ、という意味です。

 

・・・はっきり言います。

 

嘘です。

 

意図的に言うとしたら、悪質な業者でしょう。

悪意なく言っているとしたら、客の生活に全く興味がないということです。

 

たしかに、住宅ローンとして2000万円借りて、金利1%で40年返済だとしたら、毎月の返済額は50,571円です。

 

なるほど、家賃と同等です。

 

なぜこれが嘘なの?と思うかもしれません。

 

チラシのコピーを正確に訂正するとしたら、

住宅ローンの返済額だけが家賃と同等です、なのです。

 

家を買うと、支払わなければならないのは住宅ローンだけではありません。

賃貸暮らしにはなかったコストがかかってきます。

 

例えばこのようなものです。

 

光熱費

 

新築は気密断熱に優れているのでアパートよりも光熱費が安くなります、と営業マンから言われることがあります。しかし、アパートがプロパンガスを使用していたなどの前提がない限り、多くは光熱費がアップするものと考えておくべきです。

 

気密断熱性能が高くても、床面積や間取り、土地の場所によっては当然大きなエネルギーが必要になるので光熱費は高くなっていきます。

 

火災保険・地震保険

 

日本には失火責任法という法律があります。明治32年に定められた法律で、かいつまんで言うと「火事を起こしたときは近隣に損害賠償をしなくてもいい」という内容です。

 

隣の家が火事になって自分の家が全焼しても、隣の住人に損害賠償を請求することは出来ません。そのため任意ではありますが、自分の家と家財道具に保険をかけます。それが火災保険です。

 

この掛け金は10年長期一括払いで計算し、諸費用として住宅ローンに含めることがあります。その場合は毎年の負担はありませんが、10年後からは自分で支払っていくことになります。

 

これは家の構造や補償範囲などによって掛け金が大きく異なります。目安として10年一括で20万円~60万円とかなり大きな出費です。

 

固定資産税・都市計画税

 

所有する土地と建物についてかかる税金です。1年分を4期に分けて支払っていきます。土地の場所、建物の大きさなどによって税額が異なります。

 

メンテナンス費用

 

この費用が特に膨大な額になります。屋根外壁の塗装、コーキングの打ち直し、細部の修繕、エアコンやエコキュートなど設備の交換、食洗機の交換、ベランダの防水、シロアリの予防、太陽光発電のパワーコンディショナーの交換、蓄電池の交換、床暖房設備の修繕と交換、など、お金がかかります。

 

最近はハイテク設備が増え住宅購入価格の上昇の原因ともなっています。その分性能は高くなっていますが、設備には必ず修理と交換の時期がやってきます。「絶対に壊れません」などと営業マンの悪質なオーバートークも散見されます。

「半永久的」という、少し考えれば論理的にも科学的にも破綻している言葉が平気で出てくる会社とは、お付き合いしない方が無難です。

 

建て替え・大規模修繕

 

実は日本の建物は寿命が短いことで知られています。これについてはこちらの記事を参照してください。

 

nagaokafpoffice.hatenablog.com

 

もちろん数十年後も丈夫に存在している家屋もありますが、ほとんどは新築時にしっかりと費用をかけた立派なお屋敷です。メンテナンスにも膨大なお金をかけているので長持ちしているのです。

 

私の実家は約21年で解体となりました。原因はシロアリでした。シロアリは北国には存在しないと言われていましたが、地球温暖化などのせいか北海道にも存在するようになりました。(ちなみにシロアリの家屋被害が確認されている北限は、北海道留萌市です。)

 

もしメンテナンス費用を惜しんで先延ばししていたとしたら、寿命は目に見えて短くなります。

 

ローコスト住宅が必ずしも安物の木材を使っているとは限りませんが、冷静に考えて40年ローンを組んでも大丈夫でしょうか。完済する前に建て替え、あるいは大規模なリフォームが必要になるかもしれません。

もちろん、メンテナンスをこまめにしていれば寿命を引き延ばすことが出来ます。しかしそのメンテナンスもお金次第です。

 

建物が丈夫だとしても、トイレやお風呂などの水回りや、バリアフリーなどのリフォームが必要になるかもしれません。

また最近は建築費用を抑えるために小さな間取りの家が流行していますが、高齢者になったときに住み続けられる間取りでしょうか。寝室が二階のままで安全に暮らせるでしょうか。建物は健康でも、現実的にそこで暮らせないのであれば引っ越しや建て替えを余儀なくされます。

 

本当の予算とは?

 

家を買う時の予算は、「住宅ローンを借りる額」ではありません。

 

住宅ローンの元金+利息+諸費用+固定資産税+光熱費の差額+メンテナンス費用+建て替え・リフォーム費用

 

この合計が予算です。

 

建てる時点で将来の光熱費やメンテナンスの相場は予測できません。一定の余裕を持った予算が必要です。念のため住宅メーカーにはメンテナンス費用の計画を紙に書いてもらいましょう。「家を長持ちさせたいので万全なメンテナンス時期と費用を見積もりしてください」と依頼すれば、誠実な会社は喜んで対応してくれます。

もちろん将来の価格は変動するものなので、あくまで現時点での参考価格です。

 

こうして考えると、購入する建物や設備、ひいては住宅メーカーの考え方によって予算は違ってきます。

 

A工務店では予算は〇〇〇〇万円、B工務店では〇〇〇〇万円というように、会社ごとに上限となる予算を計算していく必要があります。

 

家以外の支出とのバランスも必要

 

当然のことながら、住宅を維持するだけが生活ではありません。

毎月の生活、子供の教育、自動車の購入、旅行、子供の結婚など、人生にかかる費用は膨大です。

 

これらとのバランスとタイミングを緻密に計算して、我が家に合った予算を決める必要があります。

 

独立系のファイナンシャルプランナーに相談するべき

 

ファイナンシャルプランナーという資格があっても、すべて同じではありません。生命保険会社の営業職員がFP相談と称して相談に乗ることがありますが、コンプライアンス上、維持費など具体的な費用に言及することは出来ません。あくまで一般論で話をせざるを得ません。

 

必ず、住宅取得を専門とする独立系ファイナンシャルプランナー事務所に相談してください。

 

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