今日のテーマは、「ネット銀行の住宅ローンはあり?なし?」です。
住宅ローンを借りようとするとき、インターネット専業銀行の住宅ローンの広告をよく見かけることになります。
例えば2021年5月現在、このような金利です。
auじぶん銀行 0.31%(変動金利 auの優遇がある場合)
イオン銀行 0.52%(変動金利)※ネット専業ではありません
PayPay銀行 0.38%(変動金利)
とても魅力的な金利です。
みずほ銀行 0.575%~0.825%
などと、変動金利で比べてみても差があります。
例えば4000万円を35年返済で借り入れたとして、
0.31%の場合、毎月の返済額は100,510円
0.85%の場合、毎月の返済額は110,139円です。
毎月9,629円違います。年間で115,548円、35年間で404万円もの違いとなります。
(金利が変動しなかったと仮定した場合)
これだけを見ると、圧倒的にネット銀行の住宅ローンの方が有利に思えます。
しかし、実際には地方銀行や都市銀行よりも不利な部分もあります。
事務手数料
ネット銀行は「保証料ゼロ」「繰上げ返済手数料ゼロ」をうたっていても、事務手数料はどこも2.2%必要です。
4000万円の借り入れをする場合、88万円です。
地方銀行のみちのく銀行の場合、保証料ゼロのタイプでも事務手数料は1.32%、上限は33万円です。
つなぎ融資が必要
ネット銀行の場合、融資の実行日(借り入れをする当日)は、引き渡し日となります。
つまり家が建たないと融資されないのです。
家を建てるためには工務店に建設中に数回支払いが発生しますが、支払うためには自己資金が必要です。しかし自己資金はそんなにないことがほとんどなので、つなぎ融資を借りることになります。
住宅ローンが実行される日まで、短期間だけ建築費用を借りておきます。返済は住宅ローンの融資と相殺されます。
半年~1年程度の短期間とはいえ、この融資には利息の支払いがあります。
また、この融資にも事務手数料がかかり、同じく楽天銀行では11万円です。返済期日=住宅ローンの実行予定日に家が完成していなく、返済日を延期する場合にはあらためて事務手数料が請求されます。
つなぎ融資の期間は団信が適用されない
つなぎ融資を借りている期間は、団信(団体信用生命保険)が適用されません。
もし万が一、工事期間中に亡くなってしまったら、そこまでの土地の購入費用、建築費用、工事が中断することによる工務店の損害などを、遺族が清算することになります。または、遺族(配偶者)があらためて住宅ローンの契約を出来ればいいのですが、収入によっては難しくなります。
こんな時、もし団信(または民間保険での死亡保障)が適用されていれば、その後も工事を続行することが可能です。
団信の条件が厳しいことも
団信(団体信用生命保険)の内容にも注意してください。
死亡時にローン残高が0円になるのは同じだとしても、ガンなど大病の時の適用条件が大きく違うことがあります。
ガンの診断確定時に残高0円になるのか、50%が免除されるのか、種類が分かれます。
また、心筋梗塞の場合、残高が0円になるためには、一定期間「入院している」だけでいいのか、入院だけではなく就労できないと医師が診断する期間が一定期間必要なのかで、適用される確率が変わります。
就労不能時に残高0円になるという「全疾病タイプ」は、一年間、在宅診療を続けること、かつ日中に半分を就床していることなどの厳しい条件があります。
団信の保障範囲を広げても金利上乗せ0!という場合、適用条件がかなりの厳しさなので注意してください。
ネット銀行は「金利+諸手数料+つなぎ融資+生命保険」で比較検討
ネット銀行は金利の安さだけではなく、手数料やつなぎ融資の金利、団信の条件、つなぎ融資時の生命保険料などのトータルコストで検討しましょう。
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