長岡FP事務所のブログ

住宅購入のお金のこと

他人の家計と貯蓄額は無関係です

今日の話題は、「支出の全国平均と比べても意味がない」です。

 

私は一度、相談者の立場としてファイナンシャルプランナーに相談したことがあります。

 

私はこのFPの業務について誰にも師事したことはなく、すべて自分の経験から築いた独自のノウハウだけです。そのため、他のファイナンシャルプランナーがどのようなやり方で相談会を行うのか興味があったのです。

 

FPを自称する生命保険の営業マンではなく、執筆活動も多い人気のFP事務所の経営者に予約を取って東京都内の事務所に出向きました。(料金は目が飛び出るほど高額でした)

 

私が相談したかったのは、

・自営業者として不安定な収入であることを前提として

・引退時に相応の資産を持つために何をすべきか、いくら必要か

・現在の生命保険に無駄はないか

・築20年の自宅をあと50年持たせたい。いま建物に投資すべきものは何か

・NISAは自分のポートフォリオの中でそんな位置で考えればいいか

 

ということでした。

 

これらは私自身が日頃相談を受けてアドバイスしている内容です。

これを他のFPはどうアドバイスしてくれるのか勉強したかったというわけです。

 

ちなみにこのFPの専門は、「家計診断」「資産運用」とありました。つまり家計の無駄を見つけ、資産運用に回しましょうという相談を得意としているということです。

このFPの家計のやりくりについての書籍は一時期非常に売れた本でしたし、私も買って読んだことがあります。

 

FP事務所としてはオーソドックスな専門分野です。

 

そして相談が始まりましたが・・・

 

結論から言うと、開始30分程度で相当な苦痛を感じ始めました。

 

何がというと、その家計診断です。

 

どこから持ってきた数字なのか分かりませんが、支出の全国平均値を持ち出し、我が家の支出を当てはめて「多い・少ない」とやりだしたのです。

 

たとえば、食費の全国平均は月7万円、あなたの家計簿では月10万円で3万円多いですね、ということです。

しかもそれに対して成績表までありました。

食費60点、光熱費70点、被服費10点、交通費10点などと点数をつけられ、「どこから改善しましょうか」という話し合いになっていったのです。

 

そこで私がつい言いたくなったのは

 

世の中の平均値と我が家の生活は関係ないでしょ、ということです。

 

隣の家の食費が5万円でFP的には100点満点だろうと、どうでもいいのです。

その食費のせいで資産運用ができず、老後に困窮するのが分かっていたとしたら話は別ですが。

 

私の職業柄、被服には平均をはるかに超えるお金をかけています。身だしなみを整えお客様に信頼のある印象を持っていただくために、ファストファッションブランドの服は避けます。毎月の被服費は数万円単位で、半分はシーズンが終わるとクリーニングをし翌年のシーズンが始まるとホームレス支援団体に衣料寄付をします。ビジネス用の服などはホームレス支援に不向きのため、メルカリで売って現金にしそれでさらにカジュアル衣類を購入してから寄付をします。

このサイクルに私は社会的な使命を感じているので、お金が続く限りは止めるつもりはありません。もちろん、ファストファッションの服を穴が開くまで着ていたら、貯められるだけのお金が残るかもしれません。しかし、そうするつもりはありません。

 

光熱費については、自宅に事務所があり、複数のパソコンやデジタル機器があります。いわゆる大規模な在宅勤務です。全国平均値と比べて多い少ないと単純に比較できるものではありません。

 

交通費については、仕事以外でも日本全国に友人が多くよく会いに行きます。仕事用の自家用車があり、年間の走行距離は4万キロ以上。ハイブリッド車とはいえ、ガソリン代は月に3万円以上します。(15年前はガソリン車だったので、月に10万円かかっていました。)

 

このファイナンシャルプランナーは、被服費は減らしましょう、食費も減らしましょう、光熱費はauでんきにして節約しましょう、スマホは格安プランに買えましょう、節約したお金で投資信託を買いましょう、などと「アドバイス」をしてくれましたが・・・

正直なところ

 

もう帰りたい・・・

 

という気持ちでいっぱいでした。

 

相談したいことを最初に伝えてあるはずですが、どうしてこういうことになるのでしょうか。

私は世間の平均値で生活するつもりはありません。

 

今の私の生活スタイルと価値観、仕事のありかたを含めて、今後のファイナンシャルプランをアドバイスしてほしかったのです。

 

結果的に相談はそれ一回で終わりました。

かなり高い料金を払いましたが、それこそこれがなかったら貯金ができたと感じてしまうほど浪費だったと思います。

 

しかし、このFP事務所は大人気ですし本も売れているようです。全国平均値と自分の家計を比べるという行為は私のような生き方の人間にはおぞましいことでしかありませんが、多くの日本人は隣人と同じような人生を望んでいるのかもしれません。

 

たしかに弊社の相談会でも、「世間の家庭の平均的な貯蓄額はいくらですか?」という質問を極めて多くいただきます。

そんなことを知ってどうするの?とも思いますし、平均値なんて平均でしかないのです。1人が貯蓄1億円、9人が0円だとすると、10人の平均貯蓄額は1000万円になります。どこにも存在しない貯蓄1000万円の家庭が出現します。

 

この実態のない平均値と自分の家を比較して意味があるでしょうか。

 

大切なのは、どんな人生を、どんな価値観で実現していきたいのか、です。

 

他人は関係ありません。

 

弊社の相談会では、支出の正確な金額は算出しますが、その内容の多い少ないをテーマにすることは絶対にありません。

 

他人と同じ人生を送りたい人には不向きです。

弊社での相談会ではない方がいいでしょう。

しかし理想をはっきりと描ける方には、的確なアドバイスが出来ると思います。

 

 

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