長岡FP事務所のブログ

住宅購入のお金のこと

地盤改良工事と、将来の土地の価値の話

今日のテーマは、「地盤改良工事にまつわるお金の裏事情」です。

 

そもそも地盤改良工事とは何でしょうか?

 

いくら耐震性能が高い建物を建てようとしても、それを支える地面が弱かったら地震のたびに傾いたり沈下したりします。

最近は建物を建てる前に、「スウェーデン式サウンディング試験」(SWS試験とも言います)という調査(地盤調査)を行い、地盤の頑丈さを分析することができます。

この結果で、地盤の補強が必要かどうかを判断します。

これが地盤改良です。

 

地盤調査は法律では義務化されてはいません。しかし瑕疵担保責任保険という、家の欠陥時に事業者が修理費を負うための保険があり、この加入のためには地盤調査が必須です。今はほとんどの家が地盤調査を行い、必要であれば地盤改良工事をしています。

 

地盤改良には主に四つの種類があります。

 

表層地盤改良工法

 

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これは2メートルくらいの地面を掘り、セメント系固化剤と現地の土を攪拌して固め、その上に建物を施工する方法です。

最も一般的な工法と言われています。

 

支持層という強固な地盤が浅いところにあることが条件です。

 

費用は平均的に、建築面積(一階の面積)1坪あたり3万円程度です。

 

湿式柱状改良工法

 

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 これは支持層が8メートル程度の比較的深い部分にある場合、選択します。

 

分かりやすく言うと、地面の中に杭状に固定材を流し込み攪拌して、セメント系の柱を構築する工法です。

ソイルセメントコラム工法とも呼ばれます。

 

建築面積20坪であれば、70~100万円程度の費用がかかります。


地面の中に腐葉土の層がある場合、セメントと上手く混ざらないためこの工法は使われません。

 

余談ですが、火山灰質粘性土にセメント系固化材を使用すると、六価クロムという有害物質を基準以上に発生させるリスクがあると言われています。

 

ピュアパイル工法

 

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これは湿式柱状改良工法とは違い、セメントミルクを注入して固める方法です。

 

柱状改良と違い、六価クロムを発生させる危険がありません。

 

費用は建築面積1坪あたり、5万円程度。20坪の場合、100万円となります。

 

小口径鋼管工法

 

 

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これは支持層が深い20メートル程度の深い部分にあるとき、杭打機で鋼管を挿入する方法です。

建築面積1坪あたり、鋼管が1.5本必要であるため、建築面積20坪であれば30本を打つことになります。

杭一本の値段は長さにもよりますが、11.5メートルであれば一本あたり5万円程度です。30本で150万円ということになります。

 

 

ごく簡単に地盤改良の種類と費用を紹介しました。

 

かなり遅れましたが、本題はここからです。

 

ファイナンシャルプランナー的にこの地盤改良工事についてアドバイスするとしたら・・・

 

杭の撤去には莫大な費用がかかります

 

ということです。

 

将来、子供の世代が建物を建て替えたいと思ったとき、建物の解体費用だけではなく、地中の杭も引き抜く必要があります。

全く同じ間取りの建物を建てない限り、杭の再利用はできません。

 

撤去費用は施工費用の2倍とも言われています。

 

建て替えではなく、将来更地にして売却しようとすると、売値から建物解体と杭の撤去費用が差し引かれてしまいます。

解体費用200万円+杭の撤去費用200万円=400万円が目減りするということです。

 

杭を放置して、地上を駐車場にするという手段も考えられますが、それは違法となります。建物を解体した後の地中の杭は産業廃棄物です。自分の土地であっても産業廃棄物を投棄しているとみなされる恐れがあります。

 

また杭を残したまま売却することは出来ません。仮に杭を残したまま土地を売却するとしたら、その杭は瑕疵(=欠陥)となるので、値段に大きなデメリットとなります。

 

杭を残したり、半端な引き抜き工事をすると地面の中に空洞が生まれ、地盤沈下につながることがあります。これにより被害を受けた近隣の住民から訴訟を起こされる事態も想定されます。

 

家を建てる時には、遠い将来に自分の子供や孫が解体したり売却する可能性があります。

その時に子孫にとって負の遺産とならないよう、あらゆる可能性を検討することが重要です。


子供の世代がもしお金に困っていたら?

親が建てた家のせいで、そのさらに子供の教育費を捻出できない事態もあり得るのです。


寿命の短いローコスト住宅では、35年〜40年後には顕在化するお金の問題です。


多くの住宅営業マンやFPはこの問題について詳しくは触れません。特に住宅専門ではない限り、FPは無知でしょう。


住宅専門FPに遠い将来のリスクとして対策を相談してください。

 

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