今日のテーマは、
年収が高い=沢山借りても大丈夫、とは限らない
です。
住宅メーカーの展示場に行き自分の年収を開示すると、営業マンはこう言うことがあります。
「〇〇さんほどの年収がある方は、〇〇〇〇万円程度のローンは安心して返せます」
住宅メーカーお抱えのファイナンシャルプランナーも、全く同じように言います。
例えば、夫婦合わせての年収が1000万円、だから6000万円の住宅ローンは安全に返済出来ますよ、という意味合いです。
そこに少し疑問を感じないでしょうか。
もちろん間違いではありません。年収が高いということは支払い能力があります。
銀行は年収1000万円の世帯に対して、6000万円の住宅ローンの審査はOKを出すでしょう。ファイナンシャルプランナーが家計の未来予想図である「キャッシュフロー表」を作成しても、子供の人数にもよりますが大方は無難に返済できる見通しが得られると思います。
実際に年収の6倍程度の住宅ローンは無難な範疇であって、何事もなく返済出来ている人は沢山います。
しかし、です。
弊社のライフプラン相談会では、年収が高い=安全な返済能力がある、とは安易に考えないようにしています。
実は、いくら年収が高くても住宅ローンを沢山借りてはいけない世帯が確実にあるのです。
その目安として、次のような簡単なイメージがあります。
年収の高さ < 毎月・毎年の貯蓄の習慣
年収の高さもさることながら年間の貯蓄額がしっかりしている世帯は、ファイナンシャルプランナーが作成したキャッシュフロー表通りの見通しを立てられるはずです。
年収が高くなくても、貯蓄の習慣がしっかり確立されているケースもあります。この場合も安全にローン返済が出来るでしょう。
しかし、
年収の高さ > 毎月・毎年の貯蓄の習慣
これが問題なのです。
年収の高さに対して、毎年の貯蓄額が極端に低い場合です。年収1000万円に対して現金で新たに貯蓄できたのが年間0円~10万円程度であり、貯蓄が出来ない理由が明確でない場合。さらに言うと、年収に関係なく35歳以上の夫婦で金融資産(現預金、運用資産など)が100万円以下というのも、貯蓄の習慣がないと言って過言ではありません。
バロメーターとしては、自力で貯めた金融資産が、世帯年収以上であるかどうかです。結婚出産の時のお祝いや、相続や宝くじなどの臨時的な収入ではなく、習慣として貯め続けた額で判断します。
貯蓄をしていない家庭の場合、ファイナンシャルプランナーがキャッシュフロー表を作成しても単なる夢物語で終わってしまいます。理屈上は安全な返済が出来て貯蓄も増えるはずですが、現時点では貯蓄習慣がないのですからキャッシュフロー表通りには絶対にいきません。
年収の高さは、貯蓄をするポテンシャル(潜在能力)も高いのは間違いありません。しかし、単に年収が高いだけでは住宅ローンを返済できるとは限らないのです。
年収の高さに対して貯蓄が出来ないという人は、家計改善の経験があるファイナンシャルプランナーに頼るべきです。
弊社ではご依頼に応じて、家計簿の記帳代行をしています。1カ月~3か月程度の短期間ですが、すべての出費をレシートなどで保管していただき弊社で計算をします。
削減可能な支出のアイデアを出し、貯蓄出来る余地を広げていきます。
また、貯蓄ができない原因の一つが「買い物依存」という精神的な問題が隠れていることがあります。
強いストレスや孤独を感じている方に見られる症状で、買い物をすることで一時的な心の高揚感を得るためと言われています。
この部分はカウンセラーに頼る部分ですが、弊社のファイナンシャルプランナーがお話をお聞きしながら、本来必要がなかった買い物をリストアップしていくお手伝いをします。
貯蓄できない原因はほかにも、夫婦関係の在り方の問題が挙げられます。
出費や貯蓄のことについて定期的に話し合うことがなかったり、相談せずに大きな買い物を決めてしまうなど、コミュニケーション不足であることも多いのです。話し合うと喧嘩になるのでしたくないと言う人もいます。
「お金の問題で夫婦喧嘩」は、お金がないことが問題なのではなく、夫婦で協力するマインドが欠如しているせいです。金銭という面倒な話題をすると苛立ち、お互いを責め立てる夫婦はあります。
夫婦関係の在り方によっては、マイホームを買うべきではないとも言えます。
現在、金融資産が年収以下である、年間に新たに出来る貯蓄が10万円以下である、と言う場合は年収に関係なく、ファイナンシャルプランナーに家計改善を依頼してください。
住宅を買うのは少し延期すべきです。
ぜひ弊社のライフプラン相談会をご利用ください。
www.xn--fp-t62co3ovvo2gibs7g.com