今日のテーマは
三大疾病付き住宅ローンのメリット・デメリットは?
です。
住宅ローンを借りるとき、団体信用生命保険(団信)と呼ばれる生命保険に強制的に加入することになります。もし債務者が死亡したら死亡保険金で住宅ローンが完済され、遺族に負債が残ることがないという制度です。銀行の住宅ローンの場合、団信の掛け金は金利の中に含まれているため、別途負担することはありません。
ここ10年ほどはこの団信の保障範囲が拡大する傾向にあります。
がんと診断確定されたら残債がゼロ円になる「がん団信」、がん・脳卒中・急性心筋梗塞の時の「三大疾病団信」、就労不能状態の時の「全疾病団信」などが登場しています。
保障を充実させると、その分金利が上がる仕組みです。
一般的に、がん団信は+0.1%、三大疾病団信は+0.2%、全疾病団信は+0.3%というように、住宅ローンの金利に上乗せされ、その差額が「保険の掛け金」という意味になります。
どこまでの保障にするか非常に悩むポイントです。
がんや三大疾病を保障するメリットは言うまでもありません。
大病したら借金がなくなる
その一点です。
大病し長期の療養生活に入ったとき、収入も次第に減っていくものです。先の見えない闘病生活でお金の心配もしなければならないのは大きなストレスです。せめて住宅ローンが免除されたら、家族が住む場所の心配がなくなります。
では、この団信の保障を充実させるデメリットはあるのでしょうか。
残念ながらデメリットの方が多いかもしれません。
・上乗せ金利の分、支払い総額が増える
・急性心筋梗塞、脳卒中の場合、罹患しただけでは保障されず一定の条件がある
・あくまで「上乗せ金利」なので、元の金利が高くなったらより高い支払額になってしまう
ここまではすぐに思いつくと思います。
問題は次の点です。
・もし体調を崩したら、住宅ローンの借り換えが難しくなる
・借り換えが出来たとしても、三大疾病付きを拒否される
詳しく説明します。
団信(だんしん)と呼ぶので見失いがちになりますが、正式な名称は「団体信用生命保険」です。
そう、生命保険なのです。
銀行が、生命保険会社に債務者を被保険者とする生命保険に強制的に加入する仕組みが団信です。
ということは、健康状態が悪いと団信に加入できないということになります。
団信に加入できない=住宅ローンも借りられないという意味でもあります。
死亡時だけを保障する通常の団信であれば加入できても、もし病歴があれば、ガンや三大疾病団信には加入できないといことです。
新築時に三大疾病保障付き住宅ローンを借りる
↓
より低金利の住宅ローンに借り換えたい
↓
しかし数年前に潰瘍性大腸炎で治療した履歴がある
↓
がん・三大疾病団信はNG
↓
死亡時だけの団信しか選べない
↓
民間の医療保険も加入が難しい
↓
借り換えは諦めるしかない
ということになります。
団信に縛られ、住宅ローンの借り換えが出来なくなるとは予想もしていなかった事態になりがちです。
これが三大疾病団信の大きなデメリットのひとつ。
それなら最初から安い金利のネット銀行から借りたらいいじゃないかと考えがちです。
しかし、ネット銀行はつなぎ融資や元金据え置き返済が用意されていないことも多く、多額の自己資金がない人にとっては、注文住宅の購入には非常に使いづらいのが現実です。
なので最初は注文住宅の購入に使いやすい地方銀行や都市銀行を利用します。一般的に金利はネット銀行より高めです。
数年後にネット銀行への借り換えを考えている場合、上記のようなリスクを抱えることになります。
ではこの対策はどうしたらいいのでしょうか。
弊社が提案しているのが、
団信は死亡時のみを選択し、三大疾病は民間の生命保険で保障しておくアイデアです。
最近は三大疾病に罹患したときに数千万円規模の保障を用意できる保険もあります。保障は単独で持っておくと、住宅ローンの借り換えの時に健康状態で足を引っ張られる危険が低くなります。
しかしこれにもデメリットがあります。くわしくは相談会にてご説明します。