長岡FP事務所のブログ

住宅購入のお金のこと

今は住宅購入を控えるべきなのか?

本日のテーマは

 

円安にウッドショック、ウクライナ紛争にコロナウィルス、今は住宅購入を控える時期なのか?

 

です。

 

 

最近、ウッドショックという言葉を聞く機会が増えました。これを簡単に解説すると、北米や中国での住宅需要と世界的な人件費の上昇などの影響を受け、木材価格が高騰している現象です。

2022年からのウクライナ紛争によりロシア産木材の輸出に影響が出るため、今後はさらに高騰が加速する予想です。

 

これにより住宅の建設価格も上昇しています。

国土交通省が発表している「建設工事費デフレーター」によると、2015年1月期を基準(100)とすると2022年2月期(117.6)と、17.6ポイント上昇していることが分かります。

 

www.mlit.go.jp

 

さらにウクライナ紛争による影響(輸送コスト増など)を考えると、今後建設価格が下がっていくことは考えられません。良くて高値で横ばい、可能性としてはさらなる上昇が現実的でしょう。

 

ロシア産木材(針葉樹原木)の最大の輸出先は中国で全体の80%を占めています。日本には直接の影響は少ないように見えるものの、中国で木材が加工され、日本に間接的に出荷されてているという関係です。特にフローリングの建材についてはこの仕組みに依存している会社があるため、今後建材価格の高騰に大きな影響があると予想されます。

 

住宅価格に占める木材の割合は10%~20%であるため、木材価格が2倍になったからといって住宅価格が2倍になることはありません。

しかし3000万円だった建物が3300万円になるだけでも、平均的な年収の世帯にとっては大きな影響があります。

これが3600万円、4000万円と上がっていくと住宅購入自体を諦める人も増えていきます。

 

この状態で、今、家を買うべきなのか悩む人は多いと思います。

 

他にも購入時期を迷わせる状況はいくつかあります。

 

まずは円安です。

2022年5月13日現在で、ドル円の為替レートは129.05円とかなりの円安になっています。

これによりトヨタ自動車は約3兆円の利益を出したと報道されているものの、地方の平均的な年収の会社員にはデメリットの方が多いでしょう。

 

例えば酪農では牛に与える飼料の9割は輸入されたものと言われています。これが円安で値上がりすると、牛乳や肉類の価格に反映されていまいます。外食産業も次々に値上げを始めています。

年収は極端に増えないわけですから、実質的に給料の額面の価値は減っていくことになります。

 

次に原油価格の上昇です。

 

ガソリン価格が異常なほどの高さになり政府による補助金で何とか落ち着いているものの、補助金が無くなれば1リッター200円です。地方都市では自動車は欠かせません。ガソリン価格が高くなれば、やはり実質的な収入減となってしまいます。

 

こう考えていくと、今は住宅購入はやめておこう・・・となって当然です。

 

数年後に様子を見て再検討しよう、と考えるかもしれません。

 

しかしファイナンシャルプランナーとして言わせていただくと、購入計画を引き延ばすことにメリットはほとんどありません。

 

現金一括で住宅を買える人であれば様子見でもいいのですが、多くの会社員は住宅ローンを35年~40年もの長さで契約をするため、1年延期するごとに完済の時期は1年延びていきます。

 

銀行にもよりますが多くの場合、住宅ローンは完済時80歳までしか設定できません。もし42歳であれば最長38年ローンとなり、毎月の返済額は増えてしまいます。

実際は定年退職時に住宅ローンを完済しておく方が安全であるため、購入時期のタイムリミットは遅くて30歳~35歳でしょう。

それを超えたら、高所得の世帯でない限りは中古物件や安い建売住宅を中心に検討することになります。ただし、将来の住宅価格の高騰の状況次第では、建売住宅でも高くなってしまい持ち家自体を諦める可能性もあります。

 

もし建物や土地の立地にこだわりがあり、理想通りの住宅を手に入れたいと思うのであれば先延ばしは出来ません。

 

数年待ったからといって、理想通りの住宅が手に入る好機がやって来るわけではありません。1年1年歳を取っていくし、定年退職までの年数が少なくなっていくのです。この数年で劇的に住宅価格が下がるような奇跡は考えにくいし、たった数年で自己資金が数百万円~1000万円も増えることもありません。奇跡的に自己資金が1000万円増えたとしても、建物価格が高くなったり金利が上昇したらその分は無駄になってしまいます。

 

数年待ったとしても、おそらく大きくグレードダウンした計画を余儀なくされるだけです。

 

コロナ以前よりも建物価格が高いのはもう仕方がありません。その時に買わなかったのでどうしようもないのです。

それを嘆いたり将来の奇跡を待ち望むよりも、今の価格の住宅ローンをどうやって安全に返済していくかをファイナンシャルプランナーに相談して決めた方が現実的です。

 

資産価値が大きく変動する都心部のマンションと違い、地方都市の戸建て住宅に「買い時」という考え方はありません。

自分にとって今買うべきか、ローンを返済していけるのか、だけが重要なのです。

 

住宅を購入するときは、営業パーソンの説得話法に惑わされず、住宅専門のファイナンシャルプランナーに相談し客観的な意見を求めてください。

 

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