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住宅購入に役立つお金のことを解説

地鎮祭は必要なのか?→半数はやっていない

こんにちは。

住宅専門ファイナンシャルプランナーの長岡です。

 

今日のテーマは

 

地鎮祭は必要なのか?

 

です。

 

結論から言います。

 

地鎮祭を行う人は年々少なくなっています。

 

地鎮祭の現状と考え方について解説します。

 

 

地鎮祭とはなにか

 

地鎮祭が何かを調べてみると、「家を建てる前にその土地の守護神(鎮守神)を祀り、土地を利用させてもらう許しを得ること」Wikipediaにはあります。

 

工事が始まる前に、施主家族や神主、ハウスメーカーの担当者が集まって儀式を行う光景を見たことがあるのではないでしょうか。

あの儀式には神式と仏式がありますが、平たく言うと「不幸が起こらないように神様に拝みます」という意味のものです。

 

地鎮祭平均的に3万円~5万円の費用がかかります。この負担が高いのか低いのかという前に、そもそも地鎮祭は必要なのかと疑問に思う方が少なくありません。

 

地鎮祭をやる人の割合は?

 

地鎮祭を行う人の割合について、公的な統計データは存在しないようです。そこで弊社でいくつかのハウスメーカー工務店にインタビューしてみました。

 

その結果、次のような状況があることが分かりました。

 

・20代30代では、実施するのは20%程度

・40代以上では50%程度が実施

・建築費用の一部を親が援助している場合はほぼ100%が実施

・親と同居する場合は100%実施

 

2022年現在では、地鎮祭を行わない人が半分以上いるという実感です。伝統的な行事であるせいか、年齢が高くなるほど実施率が上がります。

 

地鎮祭を行わない理由は?

 

地鎮祭を行わない理由は次のようなものが挙げられます。

 

・抵抗がある

・昔の慣習に興味はない

・費用が高い、もったいない

・迷信、まじないである

・営業マンや大工の時間を奪う行為ではないか

・その宮司は会ったことはないし、費用を払う付き合いもない

キリスト教徒、イスラム教徒である

 

合理的な理由です。

 

最近では住宅営業マンの方から地鎮祭の提案をすることが難しくなりつつあります。宗教的行為をあたかも当然であるかのように勧めるのは、深刻なクレームを引き起こす原因にもなりかねません。

 

また、地鎮祭は営業マンや大工の仕事の手を止めてしまう側面もあります。忙しく働く中で、地鎮祭のためだけに現場に集まる時間を作るのが大変だという声もかなりあります。

 

地鎮祭を行う理由は?

 

一方で地鎮祭を行う理由としては次のようなものです。

 

・清々しい気持ちになる

・やらないのは大工に失礼である

・不幸があったら地鎮祭をやらなかったからだと考えてしまう

・実施しないのは不吉である

・親がやれと強く言う

・友人や親戚もやったから

 

不吉だからやらなけばならないという気持ちを持つ方も目立ちます。不幸が起こるのではという恐怖心から「やっておこう」と考えるようです。

 

しかしながら、いざ地鎮祭に臨むと「いよいよ始まるんだな」と気持ちが引き締まると言う方もいます。宗教は関係なくけじめをつけるための儀式として捉えるようです。伝統的な行事を行う時の清々しさを好む人は少なくありません。

 

地元に密着し古くからある工務店では、今でも当然のように地鎮祭の提案をすることが多いでしょう。むしろ地鎮祭を執り行うことで顧客の信頼につながると考えている会社もあります。

 

地鎮祭は宗教的行為?迷信?

 

これらの行う理由・行わない理由を見ていくと、「親から受け継いだ価値観を守ること」と「伝統的な価値観への疑問・抵抗」とのせめぎ合いのようにも感じます。

 

迷信に感じる側面も多々あるでしょう。

ヒノエウマや六曜のような迷信を常識であるかのように押し付けてくる人たちに、反感を感じたことがある人もいると思います。

 

実際のところ、地鎮祭を行っても建築中に大工が死亡事故を起こしたことは沢山あります。地鎮祭を行っても家族が病気になったり、離婚したり、災害に襲われて亡くなったケースも数えきれません。

 

そして地鎮祭そのものを仏式でやる場合、「そんな教えをブッダが言ったのか」というそもそものツッコミがあるでしょう。

日本では、6世紀に海外から輸入された仏教と、土着のアニミズム信仰である神道が合体し、「神仏習合」という現象が起きました。経典や開祖を持たない神道という宗教と、ブッダという開祖がいて経典がある仏教とが合体し、日本独自の慣習が生まれたと言われています。たとえば祖先崇拝は仏教のものではなく、神道に由来するものです。

仏式の地鎮祭もその一つと言えます。

 

地鎮祭をやるならこう考えよう

 

地鎮祭をやらなければ不幸が起こる、などというオカルト的な発想を持って地鎮祭を行うのは好ましくありません。

 

もし行うのであれば次のように考えてみましょう。

 

地鎮祭は個人的な心の平安のために行うと考える

地鎮祭を行わないことで親が不安に思うのであれば、やる

地鎮祭は地面の神様へのおまじないではなく、建築会社スタッフや大工への感謝の印であるととらえる

地鎮祭を行わない人への中傷はしない

地鎮祭を行っても事故や不幸ごとは起きるので、関連付けない

・自分でセルフ地鎮祭を行うこともできる

 

地鎮祭が家族にとってプラスにならないのであれば、やる必要はありません。

もしやるのであれば、費用がかかっても後悔がない形で執り行いましょう。

 

nagaokafp.jp