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住宅購入に役立つお金のことを解説

【意外と安くない】お葬式の費用は高いですよという話

 

こんにちは。

住宅専門ファイナンシャルプランナーの長岡です。

 

本日のテーマは

最近のお葬式にお金はいくらかかる?

です。

 

 

普段生活していると、お葬式にどのくらいの費用がかかるかなど考えることはないものです。

身近な人が亡くなったことがあっても、その費用について身を持って知ったという人は意外と多くはありません。

 

30代、40代の世代では特に、お葬式の費用に現実感はないと思います。

「祖父母が亡くなったときにいくらかかったか知らない」

「親が亡くなったときも自分は支払いを担当しなかった」

という感覚でしょうか。

 

喪主が費用をむやみに言いふらすことは絶対にないので、家族でも葬儀費用は意外と知らないままなのです。

 

この記事ではお葬式にかかる一般的な費用を解説していきます。

 

先に結論を言うと、

結構高いですよ、ということです。

 

家族葬が増えている

 

近年、「家族葬」という言葉を耳にすることが増えたと思います。これはどういうことでしょうか。

 

家族葬について解説すると、字の通り「家族・近親者のみで行う小規模なお葬式」のことです。密葬という言葉の響きと似ていますが、厳密には異なります。

 

家族葬の特徴、メリットとしては、

 

・自宅で執り行わない(葬儀社が運営する専用ホールを借りる)

・家族・近親者以外の者に逝去した事実を告げない

・虚飾を排し、小規模で心のこもった葬儀を行う

・弔問客がいないため、喪主や家族が煩雑にならない

・通夜振舞い、返礼品などの費用が抑えられる

 

というものが挙げられます。

 

「家族だけで行う葬式は心がこもっていていいな」「自分が亡き後で家族が忙しくなるのは申し訳ないな」と思う方が増えているため、近年人気があります。

しかしながら家族葬にはメリットと同時にデメリットも存在します。

 

・費用は一般葬と大きく変わらない

・故人の親友、同僚、先輩などが弔問する機会を奪う

・弔問客がいないため集められる香典が極めて少ない

・葬儀が終わってから自宅に弔問客が頻繁に訪れ、対応に苦慮する

・家族だけのはずが弔問客が増え、返礼品を渡せないことも

 

意外と思われるのは、費用負担が大きいという部分です。

 

家族葬で抑えられるのは、通夜振舞いや返礼品の部分だけと言っても過言ではありません。その一方で、香典などの遺族の収入が極めて少ないため、トータルでは一般葬よりも負担する費用が大きくなります。

 

葬儀費用の一例

 

ここで実際の費用を見てみます。

参列者30名という一般的な家族葬の費用の一例です。

 

合計で228万円という費用になります。

家族葬というイメージに対して、あれ?と思ったかもしれません。

決して安くはないのです。

 

これに対して香典という収入はほとんどないので、228万円を遺族が支払うということになります。

かつての一般葬であれば、香典がある程度集まるため、遺族が負担する部分はこれよりも少なく済むのが平均像でした。

 

これは葬儀費用だけなので、お墓の費用、火葬費用、近親者への交通費や宿泊費、家族での飲食費などもかかってくるでしょう。

 

では次に、この費用を少し安く抑えたいと考える時、どのような方法があるでしょうか。

 

葬儀費用を抑えることは出来る?

 

方法としては葬儀社における基本プランの見直しがあります。プランは40万円程度からいくつか種類があります。祭壇の花の量、棺の種類、故人に着せる仏衣の種類、霊柩車の車種などが、値段に応じて豪華になっていきます。

この部分を節約しようと思えば可能ですが、参列者の少なさに加えて祭壇などが簡素になってしまうため、親族から「寂しい葬式だ」と苦言を呈させる可能性もあります。

 

もともと返礼品などにかかるお金が少額であるため、基本プラン程度しか見直せる部分がありません。こうなると葬儀をやる以上、安くできたとしても100万円~150万円程度は最低でも必要になります。

 

または火葬だけ行い通夜や告別式を行わないプランであれば10万円程度で行うこともできます。しかし家族であっても弔うことが出来ず、火葬の直前しか個人の顔を見ることが出来ないため、葬儀とは呼べないものになってしまいます。

 

葬儀費用をどうやって用意する?

 

100万円~200万円という葬儀費用を念頭に置いて、故人が生命保険や貯蓄で用意しておくべきと考える人は多いと思います。しかし故人が用意していたお金を使わずに、子供のうち1人が全て負担するケースもあります。

 

これは子供(特に長男)が葬儀を取り仕切り、相続手続きを含めスムーズに事を進めるために有効です。相続財産から葬儀代に充てるとなると、残る相続財産を増やすために葬儀代を節約しようとする兄弟が出かねません。「そんな花を増やすな」とか「そんな豪華な棺は要らない」など口出しが始まり、兄弟喧嘩になりかねません。そうなると相続分割ではさらに揉めてしまいます。

 

損得関係なく心から故人を弔うために、故人本人が用意するのではなく出来れば第一子(長男・長女)が用意することをお勧めしています。

もちろん、そのためには第一子が資産形成に成功していることが重要です。

 

子供世代は、親の葬儀のための資金を用意しておきましょう。

 

家族葬で本当にいいのか話し合いをすべき

 

家族葬にすべきではない人もいます。生前に大きな商売をやっていた方、現役時代は教員で引退後間もない方、など大勢の人と関わる仕事をしていた方は、亡くなったときにその事実を知らせないことで不義理となってしまう危険があります。

また、家族葬を希望していたのに亡くなった事実をどこかで知った知人たちが、家族葬ホールに集まってしまうことも考えられます。そのことで葬儀社への費用は追加となり、返礼品をさらに用意しなければならないなど煩雑になります。

 

家族葬で葬儀を行うということは、家族親族以外には当面秘密にしておくという意味でもあります。そのことで弊害があるのであれば、家族葬ではなく一般葬を選んだ方がいいでしょう。家族葬に向いているのは、引退から時間が経った高齢の方、自殺など感情的に事情がある方の場合です。

 

費用はむしろ家族葬の方が大きくなりがちであるため、香典などの収入を前提としたい方は一般葬を選んだ方がいいかもしれません。

 

nagaokafp.jp

 

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