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住宅購入に役立つお金のことを解説

債務整理をしたあと、住宅ローンはいつから借りられる?→現実は厳しい

債務整理後の住宅ローンはいつから借りられる?

住宅専門ファイナンシャルプランナーの長岡です。

 

本日のテーマは

 

債務整理後、いつから住宅ローンを借りられる?

 

です。

 

結論から言います。

 

9割の人は諦めました

 

そんなお話を当社の経験を交えながら説明します。

 

 

若いころのヤンチャのせいで債務整理・・・

借金を返済するのが苦しくなると、対処方法としてはふたつあります。

 

  • 任意整理
  • 自己破産

 

個人の場合、この二つを債務整理と呼んでいます。

 

任意整理は、債権者(金融会社)と弁護士を通じて話し合い、返済期間を延ばし、利息を少なくしてもらうことです。

 

自己破産は、債権者に借金を全て放棄してもらうことです。

 

どちらも弁護士が受任通知を金融会社に出すことによって、厳しい催促の電話が止みます。精神的に追い詰められていた状況から解放されるのが、最初のメリットです。

自己破産の場合は借金そのものが無くなるため、さらに開放感があるでしょう。

 

しかしこれら債務整理にはデメリットが存在します。

 

  • 一定期間は新たな借金ができない
  • 債務整理した金融機関は一生貸してくれない

 

任意整理の場合は完済してから7年間ほど、自己破産の場合は手続きから10~15年間ほどは、債務整理をした記録が信用情報機関に残ります。そのため新たな借金は絶対に不可能になります。

 

そしてその期間が過ぎたとしても、債務整理をお願いした金融機関にはいつまでも履歴が残るため、あらたな借り入れは一生無理になります。

 

債務整理をする年齢層は?

 

財務省東北財務局の調べによると、多重債務の相談窓口に来る人のうち、30代~50代が占める割合は46.7%(令和4年)となっています。

最も多いのが50代です。20代の債務整理は5.7%です。

 

そしてその理由は「低収入・収入減少」「商品の購入」で52.7%を占めます。

 

ここで重要なのは20代の債務整理は少ないということです。

 

多くは30代以上の人ということになります。

 

債務整理後は住宅ローンを借りられるのか?

 

ここから本題です。

 

債務整理をして完済、あるいは債務が免除されてから一定期間を過ぎたら、住宅ローンは借りられるのか?

 

という疑問があります。

そういう要望は相談会でも非常に多いのが現状です。

 

「40歳を過ぎたので早く住宅ローンを借りたい。債務整理を5年前に完済したが、そろそろ借りられるのか」

 

そんな質問が相当な件数で寄せられます。

 

確かに、一定期間を過ぎたら信用情報機関の情報から債務整理した履歴は削除されます。そうなると、自動車ローンやクレジットカードの発行はできるでしょう。もちろん整理した金融機関では門前払いですが。

 

それなら住宅ローンもいけるのではないかと思いがちなのですが・・・

 

あくまでも当社の経験から言うと、9割がたは無理でした。借りられず住宅ローンでの購入は諦めました。

 

え?なぜ?と思います。ご本人も住宅メーカーの営業パーソンも。

 

その理由を説明します。

 

債務整理の喪明けの審査がNGの理由

 

実はシンプルな理由です。

 

  • 債務整理後の「喪明け」の年齢が高すぎる
  • そもそも年収が低い
  • 職業の属性が弱い
  • 債務整理をした後でも自己資金を貯められていない
  • 喪明けの信用情報がスーパーホワイト

 

簡単に説明していきます。

 

債務整理後の「喪明け」の年齢が高すぎる

 

債務整理をしたのが35歳だとします。任意整理の場合、完済するのが40歳。そこから7年の服喪期間があるとします。

そうすると喪明けの年齢は47歳です。

 

この年齢で住宅ローンが借りられるのは退職金が見込める大手企業の社員や公務員が中心です。全く借りられないわけではありませんが、フルローンでの住宅購入は不可能でしょう。

 

20代で債務整理をしていれば、喪明けでもまだ若く、住宅ローンが借りられる可能性があります。

 

そもそも年収が低い

 

そもそも債務整理に至った理由はなんでしょうか。借金を返せるほどの収入がなかったからです。

借金問題を抱えていると職場でトラブルを起こすことも多々あります。集中力を欠いてミスを連発したり、社員同士での金銭の貸し借りで就業規則違反に問われることもあります。

そして転職を余儀なくされると多くは年収が減少します。

 

住宅ローンを借りられるほどの年収がないということです。

 

職業の属性が弱い

 

借金問題に付随して転職をした場合、残念ながらステップアップするような転職にはならないのが現実です。

より規範が緩い会社、ブラックな会社、完全歩合制の営業マン、無計画な起業(自営業)などに流れていきがちです。

 

住宅ローンを借りる時には職業と勤務先も精査されます。特に完全歩合制の営業マンや自営業の場合は、住宅ローンを借りるのはかなり厳しいといえます。数年間にわたり高所得を維持していなければ、銀行も怖くて貸せません。いつまた転職するか分からないからです。

 

債務整理をした後でも自己資金を貯められていない

 

任意整理をして返済が楽になったからといって、貯蓄(自己資金)が貯められるかというと、現実はかなり厳しいと言えます。

 

年収がそもそも低ければ生活するのが精いっぱいになるし、生活態度を急にあらためられる人も少ないのが実情です。人は誰でもお金があるとつい無駄遣いしがちです。金融事故を起こしたことがある人ならなおさらでしょう。

 

自己破産してから10年間、返済もないのになぜ貯蓄がゼロのままなの・・・?という家庭はよく見ます。

 

年齢に対して自己資金が少なければ、必要なだけの住宅ローンは借りられません。

 

喪明けの信用情報がスーパーホワイト

 

スーパーホワイトとは、信用情報機関に借金の情報が一切ないことを言います。(俗語です)

 

ブラックの反対ですが、ホワイトも問題視する金融機関は一定数あります。

 

一定以上の年齢の社会人であれば、何らかの信用取引をしていて当然です。クレジットカードでの買い物、自動車ローン、携帯電話の端末購入など、金額は少なくても誰しも経験があって当然と考えているのです。

 

それが一切出てこないのは、何らかの問題があるか、素性が怪しいのか、などと疑問におもうわけです。

 

債務整理後は10年くらい信用取引の履歴は更新されません。債務整理の履歴が消えると、そこにはスーパーホワイトの信用情報があります。

そうなると過去に問題を起こしたかもしれないと考えるのです。自社の取引履歴(普通預金の出入りなど)を確認され、消費者金融などの履歴が見えると、審査は厳しくなります。債務整理をしているのかもという疑念を持たれると、さらに調べられることがあります。

 

ちなみに過去には借金の履歴を隠すために、養子縁組をして苗字や住所などを変えてしまう人もいました。今ではマイナンバーや運転免許証などからさかのぼれるため、養子縁組をしても過去を消すことはできません。しかし金融機関を欺こうと考える犯罪者はより巧妙な細工をすることもありえるでしょう。

スーパーホワイトの人はそんな疑念を向けられるのです。

 

まずはクレジットヒストリーの構築と貯蓄づくりを

 

といっても、債務整理後の住宅ローンが全く不可能ではありません。

 

するべきことは以下の通りです。

 

 

債務整理の喪が明けたら、クレジットカードを一枚つくり、携帯電話もローンで購入しましょう。

その返済を毎月きちんとしていきます。

2年が過ぎると携帯電話を完済した履歴が残るはずです。毎月のカード返済も遅れがないという履歴も残ります。

 

これをクレジットヒストリー(返済の履歴)と呼びます。

 

通称クレヒスは信用情報において非常に強いものになります。

 

また完済時に高齢となっていることをカバーするために、自己資金を潤沢に用意する必要があります。

少なくとも諸経費分(500万円~1,000万円)は用意しましょう。自己資金の比率が高いことも審査には良い影響があります。

 

まとめ

 

いずれにしても債務整理後の住宅ローンのハードルはものすごく高くなります。

 

自己流では通過していくのは難しいと思います。

 

必ず住宅専門のファイナンシャルプランナーに相談して計画してください。

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