本日のテーマは
住宅メーカー選びは営業パーソン選び!
です。
住宅を購入するとき、特に注文住宅を建てる時には必ず営業パーソンと接触することになります。
住宅展示場や住宅メーカーのオフィスを訪問すると、必ず営業パーソンが接客をし、建物や契約手続きについて説明をしてくれるのが通常です。
この営業パーソンの能力と質、ひいては人間性が、私たちが住宅購入に成功するかどうかのカギとなるのは言うまでもありません。
もっとはっきりと言うと、出会う営業パーソンの質が悪ければ、住宅購入は失敗します。
思い通りの建物にならない、希望通りの予算に収まらない、頼んだことが伝わっていない、コミュニケーションが何もかもうまくいかない、結果的に嘘をつかれていた、こんな状態で契約していいのか?、というように強いフラストレーションを感じることになります。
何千万円という買い物をするのに、この状態は避けたいですよね。
今日の記事では、住宅営業パーソンの見分け方・見極め方を説明します。
弊社では数多くの住宅メーカーから依頼を受けて相談会を開催しています。
お客様としてではなく、取引業者として各企業の様子を長年見てきました。
お客様ではないので、営業パーソンの本音がはっきりと見えるのです。
そこでの雰囲気はメーカーによって天と地ほどの差があります。
真摯にお客様に向き合おうとしている会社がある一方で、とてもじゃないけれどお客様には聞かせられない発言が飛び交う会社。
ああ、これが営業の本音か・・・と驚くことも少なくありませんでした。
結果的にお付き合いをやめた企業も多数あります。
一方で、深くお付き合いをしている企業もあります。
極端なことを言うと、住宅営業パーソンは二種類に分けることが出来ると思います。
①お客様の希望や不安に寄り添い、購買のサポートをしてくれる人
②お客様の不安は単なる反論。説得して売れば正義!の人
残念なことに、業界の特徴なのか②の人が9割です。①の人に出会えたら幸運です。
それぞれ解説していきます。
①お客様の希望や不安に寄り添い、購買のサポートをしてくれる人
住宅購入を考え始めた時はみんな、とにかく不安でしょうがありません。本当に払えるのか、高すぎるのではないか、ほかのメーカーの方がいいのではないか、辞めた方がいいのではないか、など常に考えています。
希望に胸が膨らむ瞬間は少なく、計画が現実的になるほど不安なときを過ごすものです。
そんな時に、お客の不安を解消するように「説得」するのではなく、冷静に検討する「情報を提供」するように心がけている営業パーソンがこの人たちです。
特にお金の不安を強く抱えているお客に対しては、ファイナンシャルプランナーを紹介してくれるでしょう。そしてここがポイントなのですが、営業パーソンはファイナンシャルプランナーとの面談の時に絶対に同席しません。お客様が客観的な判断を下していただくように配慮してくれているのです。
FPだけではなく銀行の担当者や、弁護士や司法書士などのプロフェッショナルも紹介してくれるはずです。同じように営業パーソンは同席しません。
これがお客の購買をサポートするプロの姿勢です。
外部の業者を紹介した結果、家を買わないという判断になるかもしれません。それなら仕方ないと誠実に考えてくれているのです。
しかし結果的に信頼を得て大きな営業成績を収めています。紹介が多いのも特徴です。
②お客様の不安は単なる反論。説得して売れば正義!の人
このタイプの営業パーソンが圧倒的に多いのが現実です。
家は「口車に乗せてスピーディに契約させる」のが優秀だと本気で思っているタイプです。
正直言って時代遅れも甚だしいのです。
このタイプはお客様の不安には絶対に寄り添おうとしません。どうしたら今月契約させられるかが興味の全て。
お客様の「不安」は、この人たちにとっては「反対」「反論」としか感じていません。なので説得し、さわやかに論破しようとします。
ローンを払えるか分からないので怖いと言うお客様に、ファイナンシャルプランナーを紹介することもせず、営業パーソンが自らライフプラン(的なもの)をアドバイスし始めることも珍しくありません。
売り手がそれやったら意味ないだろ!とお客様はツッコミたくなるのですが、本人は何の疑問も持ちません。むしろファイナンシャルプランナーと同等のことが出来ると信じています。プロのファイナンシャルプランナーがどのようなことをするのかなど知らないという、無知のせいでもあります。
このタイプにとっては自分でコントロールできなくなるのが怖いので、FPにかぎらず外部の専門家を紹介する気持ちはありません。
この人たちはお客様が専門家と接触することを嫌います。お客様に冷静になってもらっては困るのです。
私にそうはっきりと言った営業パーソン、店長はたくさんいます。お客様の幸福を売るのではなく、家という商品を売り切ることだけが目的であれば、確かにファイナンシャルプランナーを始め専門家の存在は邪魔でしょう。
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これは住宅営業だけではありません。あらゆる業界の個人向け営業の世界では、お客の購買をサポートしようとアドバイスする人と、お客にいかにたくさん売りつけたかを競い自慢する人と二種類います。
しかし、②のタイプの人を責めることは出来ません。
かつては②のタイプが常識だったのです。私も23歳から営業の仕事をしていますが、特に90年代はそのようなムードでした。
とにかく売ってこい、お客様の気持ちなど二の次、売れなきゃ人間失格、という教育を受けていました。根性論とパワハラが蔓延り、たくさん売った営業パーソンがジャケットに勲章のようなバッヂをぶら下げて自慢して歩くような時代です。まるで北朝鮮の軍幹部のようでした。売れていない営業パーソンは人格が無いとばかりに軽蔑されてもいました・・・
営業ミーティングでは頻繁に管理職が怒鳴り、売れていない人間を叱責し辱める。
この中で育てば、お客様に寄り添う気持ちは1ミリもなくなります。
学校スポーツで体罰が無くならないように、営業現場ではこの時代の常識が2022年現在もまかり通っていることが多いようです。
このような価値観が残る会社に新卒で就職し染まってしまった人は、40代~50代の営業パーソンに多いでしょう。この人たちがいま管理職として若い営業パーソンに指導しているわけです。
私がかつてFPとして取引を辞めた会社も、営業パーソンのオフィスではお客様の悪口をよく聞いたものです。
「あの客にこんな額の金が借りられるわけないだろ!」
「今日申し込みをさせるまで帰すな!」
「身の程知らずの要望ばかりでバカじゃねえの?」
そんな調子です。
多くは人生経験の少ない20代、30代の社員でした。
会社に雰囲気に染まってしまい世間の常識とずれてしまっているのです。
住宅営業パーソンの立場として、家を売ることに慣れきってしまうのでしょう。
お客様の不安や希望に寄り添う気持ちが一切無くなるのは、会社の教育・雰囲気だけではなく、人生経験の少なさや想像力の欠如もあります。
家の値段、数千万円という莫大な金額に抵抗感がなくなり、まるで中古車でも即決で売るような感覚にさえなるのかもしれません。
人生を左右させる買い物だということを忘れてしまうのです。
体罰や暴力の世代連鎖を彷彿とさせます。時代遅れの売上至上主義がまかり通っている会社と関わると、遅かれ早かれお客様が不快な思いをします。
なるべくであれば、①のようにお客様の不安に寄り添ってくれる営業パーソンと出会いたいものです。
この見極め方は実は簡単です。
営業パーソンにこう質問してください。
「住宅ローンを返済できるか不安なんです。専門家に相談したいので紹介してください。」
もし営業パーソンが
「私でもアドバイスできますよ。」
と言ったら、もうお付き合いはやめるべきでしょう。住宅メーカーを替えることをお勧めします。
あなたは釣りの獲物でしかなく、不安なんですという言葉は相手にとって反論や抵抗にしか聞こえていないはずです。「口車に乗せて」契約させる方向に引っ張ろうとするだけです。
そのアドバイスを受けたところで結果は常にひとつです。
「大丈夫、返済できますよ。」です。売りたいのですから当然です。
弊社では信頼できる営業パーソン、住宅メーカーをご紹介することが出来ます。
ぜひお申し付けください。