長岡FP事務所のブログ

住宅購入のお金のこと

持分割合を決めるときの「取得費」とは

今日の話題は

 

共有名義の持ち分が必要になる支出は?

です。

 

土地と建物を購入したり、マンションを買おうとするとき、夫婦共有の名義として登記することがあります。

共有の名義とは、その名の通り、夫1/2・妻1/2というように持ち主の割合を決めて登記することです。

 

なぜこのようなことをするのでしょうか。

それは、不動産を登記するときには「お金の出どころ」を精査する必要があるからです。

例えばお金を一円も出していない人が、自分の持ち物として土地と建物の名義を登記したらどうなるでしょうか。それは誰かから貰った、ということになります。つまり「贈与」を受けたということで、贈与税の支払いが必要になるのです。

 

もし4000万円の物件を購入したとします。夫が2000万円、妻が2000万円とそれぞれが住宅ローンを借りるとします。ちょうど半分ずつの代金の負担をしたということになるので、名義も半分ずつとなります。土地を半分、建物を半分、とするのが一般的な分けかたです。

 

次に、もし夫が現金を500万円用意していたとします。

住宅ローンは夫が2000万円、妻が1500万円だったとすると、名義はどうなるでしょうか。

 

2000万円+500万円=2500万円が夫の代金の負担

1500万円が妻の負担となります。

 

夫2500万円:妻1500万円ですから、夫62.5%、妻37.5%という持分の比率で登記をすることになります。(この場合、夫8分の5:妻8分の3などという表現になります)

 

ちなみにきっちりと割り切れない場合は、端数はどちらかへの贈与という形で処理をします。本来贈与税がかかるところですが、年間110万円以内の贈与は非課税であるため、端数の処理はこの110万円に収まるように計算します。

 

・・・と、ここまでは理屈で分かるところなのですが、実際はこの分母となる「取得費」の計算がややこしいのです。

土地、建物それぞれに、その物件を購入するための「取得費」に含めるものと含めないものがあります。

 

次の表で一覧にしてみました。

まずは土地の取得費に含まれるものは以下の通りです。

 

土地の場合
購入代金
仲介手数料
不動産取得税
登記費用(登録免許税)
売買契約書印紙代
ローン保証事務手数料
抵当権設定の登記費用(登録免許税)
固定資産税・都市計画税清算
古屋の取り壊し費用
整地・下水道・擁壁工事費用等
借入金金利(借入日から使用開始までの期間の利息)
 

 

次に建物の取得費に含まれるものは次の通りです。

 

建物の場合
建築費・購入代金
仲介手数料
不動産取得税
登記費用(登録免許税)
売買契約書・建築請負契約書の印紙代
ローン保証事務手数料
抵当権設定の登記費用(登録免許税)
固定資産性・都市計画税清算
設計変更費用
増改築リフォーム費用
エアコン・給湯設備等で建物に付属する設備
借入金金利(借入日から使用開始までの期間の利息)
 

 

最後に、取得費とならないもののリストです。

 

取得費とならないもの
ローン金利
ローン保証料
団体信用生命保険
つなぎローン事務手数料
つなぎローン金利
火災保険料(地震保険家財保険含む)
インターネット加入料
管理費・修繕積立金
引っ越し代金
家電製品・家具・カーテン代金
借入金金利(借入日から使用開始までの期間の利息)
 

 

注意すべきところとしては、ローンの金利は含まれないということです。ただし、取得費に含まれるものとして「借入日から使用開始までの期間の利息」とあるのは、事業用不動産(アパートなど)の場合です。

 

カーテンや家具、家電も取得費の分母に入れたくなりますが、これも除外されます。

夫が土地と建物の費用をすべて負担し、妻が自分の預金を使って数百万円の高級家具やカーテンなどを購入したからといって共有名義には出来ないのです。

火災保険も同様です。取得費にはなりませんが、住宅ローンに諸費用として組み込んでいる場合は注意が必要です。

取得費にはならないものの、共有名義人で火災保険料を折半すれば公平となるでしょう。

 

妻が自分の預金から300万円程度を出したいが、自分は専業主婦であるため返済は夫がしていくという場合、共有名義にせず取得費に含まれないものの購入を担当する方法があります。

家具・家電、カーテン、引っ越し費用、火災保険などを妻が支払うということです。

 

一方で、妻の父親が住宅取得資金として500万円を妻に贈与した場合、両親としては共有名義を望むはずです。その時は取得費として支出するべきでしょう。

 

名義の持ち分には、金銭面だけではなく感情面も多分に影響してきます。安易に持ち分を決めず、十分な話し合いが必要です。

 

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