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住宅購入に役立つお金のことを解説

【住宅ローンの借り過ぎ注意!】家計の余力で住宅ローンを返済するべき

 

今日のテーマは

住宅ローンは家計の余力で返すと考える

です。

 

住宅ローンを借りる時、何年返済にしているでしょうか。

多くは35年~40年だと思います。

今まで生きてきた年数以上の年月を費やすことになります。

 

もはや住宅ローンの返済が人生の最終目標のように感じてしまいます。

一生懸命働いて得た収入の多くをローンの返済に費やし、定年退職をしてもまだ多額の借金が残るのです。

こう考えると、家など買わない方がいい、買いたくないと思ってしまいます。

 

実際、戦後日本では特に「住宅ローンの返済は男の大仕事!」「持ち家を買って一人前」的な考え方が続いていました。

金利8%の親の時代では、まさに一生命がけでローンの返済に取り組むものだったでしょう。

 

現代では住宅ローンは低金利で推移しているとはいえ、親の世代よりも社会環境への不安が大きくなっています。年功序列、終身雇用という戦後日本のサラリーマンの常識が崩れ、10年後にも同じ職場で働いているとは限らなくなりました。

 

そのため、もしかしたら親の世代よりももっと「命がけ」で家を買うような気にすらなります。

 

もちろん弊社では、ライフプラン上、返済は困難だと思われるご家庭については新築住宅の購入はお勧めしていません。文字通り「命取り」になりかねません。無理はしてはいけないのです。

 

しかし一定以上の収入がある家庭では、恐れすぎることはないと思っています。

もっと気負いなく返済していくものと考えてもいいのではないでしょうか。

 

基本的に住宅ローンは、

 

家計の余力で返済していくもの

 

だと思っています。

 

余力?何を悠長なことを言っているんだ?と思うかもしれません。

あまり余計なストレスを感じないためにも、この記事で考え方を紹介したいと思います。

 

結論から言うと、貯蓄を優先し、その余った力で予算を組む、ということです。

 

ポイントを説明していきます。

 

抑えておくべき3つの貯蓄計画

 

必ず計画しておくべき3つの貯蓄があります。これを貯めることを最優先に考えます。

 

子供の大学資金

 

老後の生活資金

 

手持ちの普通預金

 

この三つの貯蓄を作ったうえで、余力で住宅ローンを返済すると考えるのです。

 

この三つの貯蓄が計画通りに行くことを前提として、住宅の予算を決めていくと「安全」と言えます。

 

それぞれに貯め方がある

 

この三つの貯蓄は時間軸で分けることが出来ます。

 

大学資金=中期

老後資金=長期

普通預金毎月・毎年

 

ということです。

このうち、積極的に増やしていくべきなのが長期の貯蓄(老後資金)です。資産運用ともいえる部分です。あまり大きな金額を積み立てる必要はなく、リスクテイクをして運用のパフォーマンスを重視すべきでしょう。

 

一方、中期(大学資金)、毎月・毎年(普通預金)はリスクテイクには適さない性格の貯蓄です。リスクを取って増やすよりも短期間で確実に手元に用意できることが重要です。基本的に利息はゼロで考えるべき部分です。老後資金よりも高額の積み立てをしていく必要があるため、毎月の家計に大きな影響があります。

 

建物の維持費について

 

建物は定期的に屋根外壁の塗り替えや設備の交換など、高額な出費が必要になります。これは普通預金から支払うことになります。

出費の時期が明確に固定されているため、外貨建ての金融商品投資信託など評価額が変動する種類の資産運用は不向きです。120カ月後に確実に現金が必要なのです。

 

建物の仕様によってはメンテフリーといって、定期的なメンテナンスが必要ない場合があります。その場合は教育費や老後資金の貯蓄にお金を回しやすくなるし、あるいは建物の予算を少し上げてもいいかもしれません。

 

ローコスト住宅を買って高額な維持費に追われ、最後は建て替えを余儀なくされたらどうなるでしょうか。

新築から10年後にどんなメンテナンス費用がかかるのか、正確に回答できないファイナンシャルプランナーに相談するのは極めて危険です。

 

自動車の買い替え

 

地方都市で生活していると自動車の買い替えは必須です。しかもこれからの時代は電気自動車や燃料電池車となっていくため、将来に予定される車の価格が分かりません。

 

7年~9年程度での買い替えをめどに予算を決めます。現金で購入する場合は、普通預金から支出していくことになります。

 

 

このように貯蓄とローン返済と分けて考えていきます。

 

例えばこのように計算してみましょう。

 

住宅ローンの毎月の返済額が10万円(年間120万円・借入額4000万円)

老後資金の積み立てに年間30万円(2000万円まで増やせるように)

大学資金の積み立てに年間50万円(18年で900万円)

普通預金に年間100万円(自動車を買いつつ退職時に1000万円残るように)

建物の維持費積み立てとして年間35万円(10年ごとに350万円支出)

退職金の予定として夫婦で2000万円

 

という感じになります。

この計算では退職後に5000万円程度の貯蓄を持つ計画です。

退職時に住宅ローンの残債が1000万円程度残っていたとしても、貯蓄で繰上げ返済が可能です。あえて繰上げ返済をしないという判断も安全にできます。

 

この場合、貯蓄と資産運用に年間215万円費やせることを前提として、他の生活費を計算しながら、4000万円を借りるべきか検討します。

 

仮にメンテフリーで丈夫な建物であれば、維持費の積み立て分はもう少し少なく済みます。その分を他の貯蓄に回してもいいし、予算を大きくすることを検討してもいいでしょう。

 

大学進学は前提としないという場合であっても、子供の選択肢を狭めることがないように積み立てをしていくべきと考えます。

 

自動車は5年ごとに50万円程度の中古車を買う計画であれば、普通預金に積み立てる金額はもう少し安く済むでしょう。

 

建物の寿命がどのくらいかをある程度把握し、覚悟しておく必要もあります。40年程度で建て替えとなるのであれば、その費用も予算化しなければなりません。寿命が短いと判断するのであれば、新築時の予算はもっと小さくすべきです。定年退職時に建て替え費用分も貯めていかなければなりません。

 

このようにして考えたうえで余力で住宅を購入するようにすれば、不安感も軽減されます。もちろんこれは健康で働ける場合であって、大病や大けがをし収入が絶たれるケースも考えられます。その時のために保険や団信を検討する必要もあります。

 

実際のところ、ここまでの貯蓄は難しいと思うかもしれません。しかし建物の維持費を抑えられる住宅メーカーを選択したり、設備を増やしすぎないことや自動車購入の計画も緻密に考えていけば、多くの場合、安全な住宅購入が出来るはずです。

 

今回の記事は分かりにくかったかもしれません。

ぜひ弊社のライフプラン相談会に参加して、予算決めのための考え方を取り入れてください。

 

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