本日のテーマは
夫婦の別管理家計、間違いが目立っています
です。
- 「家計のことはうちの嫁さんに任せているから」と言う男性
- それってアンコンシャスバイアスでは?
- FPは常にアンコンシャスバイアスを感じている
- 家計は妻管理すべきというバイアスで苦しむひとたち
- 別管理という呼び名の無責任家計になっていませんか
「家計のことはうちの嫁さんに任せているから」と言う男性
40歳から上の世代でよく聞く言葉がこれ。
夫は家計のことに口出しせず、妻からお小遣いをもらって生活するスタイルの夫婦が非常に多い印象です。
妻に任せていれば安心だからと夫は言うのです。実際にライフプラン相談会で食費や光熱費について質問しても、夫は一切答えられません。見当もつかない状態なのです。
また、お金についての何かを決定するときも「うちのやつに訊かないと分からない」と言うのも夫。
20代の夫婦にはとても信じられない光景でしょう。自分の両親がそんな感じだったと感じるかもしれません。
男は外で働き給料を持ってくるだけ、女は家事と子育てをしお金の管理もする。そんな価値観が少なくとも2010年くらいまでの日本では当然とされてきたように思います。むしろ、それが美徳だったような気がします。
なぜ妻が1人で家計の管理をするのでしょうか。
すると多くの中年男性がこう言うでしょう。
「女性の方が細かい作業に向いている」と。
それってアンコンシャスバイアスでは?
アンコンシャスバイアスという言葉をご存じでしょうか。
これは「無意識の偏見」とも訳され、最近企業のハラスメント教育の中でよく使われています。
たとえば、
- 女性は事務仕事の適性がある
- 女性は残業をしたがらない
- 女性は貯蓄がうまい
- 女性はきれい好きだ
- 男性は力仕事が得意だ
- 男性は残業しても当たり前
- 男性は不潔で掃除が苦手だ
- 男性はお金の管理が苦手だ
このような偏見(アンコンシャスバイアス)を、むしろ美徳として持ちづづけている人はめずらしくありません。
こんな事例があります。
会社の年末大掃除の日に、ある女性社員(20代)が作業つなぎを持参してやる気満々で出社してきました。天井の蛍光灯を拭こうと脚立を持ってきたところ、40代の先輩女性社員がこう言います。
「女性は給湯室をやってください。そういうのは男性の仕事です」
若い女性社員は理不尽な気持ちを抱えて、給湯室の掃除をせざるをえませんでした。しかも5人がかりで給湯室の茶碗を拭いただけ。
その先輩女性社員は仕事上では決して男女差別をしない人ですが、ふとした時にやはり男女の役割というバイアスが顔を出すのです。
女はお金の計算が得意だから妻が家計を管理すべき、あるいは男は不向きだから管理させたくない、という心理もまた、アンコンシャスバイアスでしかありません。
FPは常にアンコンシャスバイアスを感じている
ファイナンシャルプランナーである筆者もよくこの偏見には遭遇します。
社会的立場のある女性でも、この偏見から逃れられないようなのです。
幼稚園の園長(50代女性)が「ファイナンシャルプランナーさんって、男なのに家計の話をするの?女性の方が向いているのでは?」
そう言われたのを強く覚えています。やはり家計のことは女性がやるべきだと思い込んでいるのでしょう。
保険会社でもこのような光景を見ました。
60代の女性営業社員が「明日は専務がオフィスを訪問します。専務はスカートの女性が好きなので、女性は全員スカートで来てください!」
当然この女性社員はセクハラをするつもりはないのです。専務の前時代的なアンコンシャスバイアスに対してサービス精神を出したつもりが、若い世代に対する気持ち悪いほどのハラスメントとなってしまったわけです。
この二つの事例で思うのは、女性がジェンダーハラスメントの当事者となっているという事実です。
「男には家計の話は無理だから、自分ひとりでお金の管理をしています」という40代50代の女性はものすごく多くいます。
夫の家計への参加を拒んではいませんか?
家計は妻管理すべきというバイアスで苦しむひとたち
当然のことながら、お金の管理をはじめ細かい作業が全て苦手という女性だっています。当たり前ですが、細かい作業が大得意な男性もとても多くいます。
苦手なのに一人で家計管理をし、貯蓄がうまくできず夫から叱責される妻もめずらしくありません。
しかし、それなら得意な方が一人で管理すればいいのかというと、決してそういう訳でもありません。
家計管理だけは夫婦が共同で作業をしなければならないのです。
はっきり言うと、単独管理はすべきはありません。
そこで話題になるのが20代夫婦の「家計別管理方式」です。
別管理という呼び名の無責任家計になっていませんか
20代の夫婦はいわゆる「財布を別にする」、つまりお金を出し合って家計を成立されているケースが多いでしょう。
しかしお金を出し合っているものの、自分の預貯金は開示しないという人がほとんどです。
僕のお金、私のお金、というように同棲の延長のようなお金の管理意識です。
それは実のところ、夫婦の共同管理とは呼べず、無責任管理でしかありません。
自分が管理するお金はあるものの、お互いに隠しごとをせず全て開示して、「家計」を作っていくべきものなのです。
離婚するときこれを痛感することになります。
離婚時の財産分与です。
結婚してから築いた財産はどちらかのものではなく、夫婦の共有財産なのです。離婚するときには折半して分ける法律です。
日本の法律は、夫婦の単独管理も、別管理もどちらも認めていません。
協力すべし、と明確にうたっているのです。
結婚とは財産を協力して築くことです。
一度、家計管理の方法を夫婦で話し合ってみましょう。
過去記事も参考にしてください。
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