病気やケガで仕事を休み、雇用主から給料の支払いを受けられない時、健康保険から「傷病手当金」が給付されます。
名前だけは聞いたことがあるのではないでしょうか。
「給料の60%くらいが一年半受け取れる制度」として覚えている人も多いと思います。
今日の話題は、「傷病手当金で生活は出来るのか?その手取りは?」です。
傷病手当金の計算の仕方
傷病手当金の支給額は、標準報酬月額をもとに計算されます。
標準報酬月額はざっくり言うと、自分の給与の平均額です。実際には細かい計算のルールがありますがここでは省きます。
興味のある方は
標準報酬月額・標準賞与額とは? | こんな時に健保 | 全国健康保険協会
を参照してください。
標準報酬月額を次の計算式に当てはめて、一日当たりの支給額を算出します。
実際にいくらになるのか、次のような表があります。
支払われる傷病手当金のイメージ
標準報酬月額が32万円の場合、一日当たりの傷病手当金は7113円です。
30日分の傷病手当金を受け取るとすると、給付額は213390円ということになります。
基本給30万円、交通費1万円で、支給額31万円だとすると、傷病手当金の支給額は給与の68.8%です。
「結構もらえるな」と思ったかもしれません。
傷病手当金の手取り額は?
しかし、問題はここからなのです。
傷病手当金は手取り額ではありません。
ここから社会保険料と住民税を支払うことになります。
では手取りはいくらになるのでしょうか。
標準報酬月額が32万円となる具体的な給与明細を作ってみました。
↓↓↓
傷病手当金 213390円から、
社会保険料合計 49026円
住民税 12647円
所得税 6530円
が差し引かれ、
差し引き支給額は 151717円です。
本来の手取り額は241797円ですので、90080円減っているということになります。
働けなくなった時の備えかたは?
傷病手当金を貰っても、さらに手取りが減るということが分かりました。
ではこのリスクにどう対処したらいいのでしょうか。
大きな病気や障害での休職・収入減には各種の民間保険で備え、比較的軽度の病気やケガでの休職の場合は貯蓄で対応するというのが現実的でしょう。
住宅を購入するときは、働けなくなるリスクに備えて家計を見直すことが重要です。
ご相談をお待ちしています。
※この記事における傷病手当金の計算は、あくまでも概算です。実際の給付額は勤務先に問い合わせてください。